中巻を読んでから半年,上巻を読んでからは2年近く経ちましたがなんとか完読。
あいかわらずの仏教,僧侶の礼賛ぶりですが,ここまで徹底されると微笑ましい。
上中下巻と収録されている説話は,基本的に時代順にならんでいるのですが,この下巻になると著者とされている景戒が実際に生きていた時代に入ってくることもあって,物語の描写や人物関係も少しづつ詳細になっているのが興味深かったです。
ちなみに,
上巻が,聖徳太子以前の西暦500〜,持統天皇の少し後の西暦700年頃まで。
中巻が,上巻の後を受けて,淡路の実家の近くに稜が残っている淳仁天皇の頃,西暦760年頃まで。
最後の下巻が,平安京へ遷都した西暦800年頃までとなっています。
すぐにと言うことではないですが,「三宝絵詞」とかこの日本霊異記を元にした説話を多く収録されているという「今昔物語集」あたりも読んでみたいです。