宮部みゆきは 4冊目。
マンションから飛び降り,地下鉄に飛び込み,タクシーの前に飛び出して死んだ3人の女性たちが繋がった中盤以降,そこから新たに飛び込んでくる事件をみて,その先の展開に不安を覚えました。 これで全てに関連性があったりしたら,キレイに繋がったとしても出来過ぎなんじゃないかと。
さすがにそれはありませんでしたが,終盤に至ってはそんなことを考えている暇はありませんでした(笑)
まったく予想を裏切られた結果,本当の意味で守がこの物語の主人公となる展開にはさすがとしか言いようがありません。
ただ,消化不良な点もあったのは確かです。
読後にこんなことを感じたのは僕が読んだ宮部みゆき作品でははじめてかもしれません。
ひとつは,守の学校での件。
主人公である守の視点で語られてはいたものの,三浦という敵役の存在はもう少し実態が欲しい気がしました。特に決着する前後。
もうひとつは,広告アカデミーの件。
大道具なのか小道具なのか,小道具にしては大きな仕掛けなのにも関らず,小道具としてしか使われてなかったが物足りなかったです。
三浦以上に姿が見えない存在のまま終わってしまいました。
これならまだ,あの人と繋がりがあった方がよかったんじゃないかと。
不満も言いましたが,だからと言ってこの作品が面白かったことに変わりありません。
次の宮部みゆき作品は,16冊ほど後に読むことになる予定です。*1
*1:今年の読書ペースで,4年分くらいの積み本がある。