読みかけの本を忘れて外出してしまい,駅前の本屋で物色している時に目に付いた本。
「宇宙の作り方」を,平凡(以下?)な物理学生の主人公と天才少女と中心とした学生たちが,現代の宇宙論をベースに論じていく作品。
物語は,主人公の日記の形で書かれています。
分類的には,ハードSFになるのかな? と思いつつ読んでいたのですが,青春小説のようなエッセンスが入っていたりと,ただ科学論に終始しない内容でした。
宇宙論については,さほど丁寧に解説されているわけではありませんが,サイエンス雑誌等に目を通していれば理論の流れには付いていけます。ただ,オリジナルの理論も含め,説明から視覚的想像をするのはし易かったかと。
わからない単語があってもストーリーは追えますが,折角なら表面上だけでも理解して楽しみたいものです。
ストーリーは,いくつか前後のつながりが唐突な印象があったり,エピローグも投げっぱなしな印象があってちょっと消化不良を感じましたが,本題となる素粒子物理,宇宙論に面白みを感じることができれば十分に楽しめるかと。
それはそれとしてオビを見ると,映画化+ゲーム化が決定しているらしいですが,ゲーム化はまだしも,映画化してもそれほど映像的に映えないような気がするんだけど,大丈夫なのかな?

- 作者: 機本伸司
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2006/05
- メディア: 文庫
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