こちらは、ロードバイク Advent Calendar 2025 13日目の記事です。
PBP(Paris Brest Paris)2027の足音も聞こえ始めた2025年の年の瀬、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
長距離ブルベや海外イベントへの参加など、愛車と共に遠方へ旅立つ機会は少なくありません(少なくありませんよね?)しかし、その際に最も頭を悩ませるのが「飛行機輪行」ではないでしょうか。
鉄道と違って、自分の手元から離れてしまうためリスクへの不安が大きくなります。
大切なマイバイクを預けるからには、万全の梱包とスムーズな輸送が不可欠です。
実際に過去の遠征で利用した輪行手段の種類、さらには遠征先での輸送・受け取り方法を備忘録として紹介します。
📦 輪行箱いろいろ
飛行機輪行における最大の関心事は、自転車をいかに安全に保護するかです。
ざっくり、ハードケース、ソフトケース、普通の輪行袋の3タイプに分かれます。

写真は今年の10月に開催され、参加者の8割が海外からだった「THE JAPANESE ODYSSEY(日本のオデッセイ)」のバイクケース群です。いくつかハードケースもありますが、ほとんどが「SCICON」や「EVOC」の底面固定タイプのソフトケースでした。中には(この巨大な段ボールも飛行機に乗せてくれるんだ…)と3度見するサイズの箱もあったりしましたけど。
これらは福岡の自転車屋さん「正屋」さんの協力でスタートの鹿児島からゴールの松本までトラックで搬送されました。
ハードケース
1. ガチハードケース
「SCICON AEROTECH」とかに代表されるハードケースです。持っていないので使ったことはありませんが、実際に目にすると圧倒的な安心感を感じます。価格はもちろん移動とか重量、サイズや荷物の置き場所を気にせず旅が出来るなら使ってみたいところですが、全項目気にせずにはいられないので今後も使う機会はないでしょう。
メリット
これでダメなら諦めもつくのではないでしょうか(つかない)
デメリット
非常に高価です。日本での販売価格はわかりませんでしたが公式価格は「$2,095.00 USD(32万円)」でした。

2. プラダン(プラスチック段ボール箱)
プラダンで作られた箱状の輪行箱です。
「BTB輪行箱」「Qbicle バイクポーター」を利用している人をよく見かけます。
最近、あまり聞かなくなりましたが、2015年のPBP前後でプラダン輪行箱を自作するのが流行りました。好みのサイズでつくることができます。
私はその考案者の vさんからいただいた輪行箱を2017年の LEL(London Edinburgh London)で利用しました。
近くに「FDA(フジドリームエアラインズ)」が就航する空港があるなら「スポーツ用自転車搭載サービス」で専用のプラダンハードケースを無料で貸出してくれます(要3日前までの予約、1便あたり最大7台)
メリット
耐久性が高く再利用が可能。ハードケースより軽量で、預け入れ重量の制限に有利です。
耐久性を考えれば安価、市販品で2〜3万円、自作すればもっと安くカスタマイズした好みのサイズの箱が手に入ります。
デメリット
ハードケースと同様に嵩張るので担ぐのは現実的ではありません。
キャスターはあった方がよいです。畳んでも一定の厚さがあるため自宅や現地での保管場所の確保が必要となります。

3. 段ボール(紙段ボール箱)
段ボールで作られた箱状の輪行箱です。
「BTB輪行箱」や宅配会社、自転車の販売流通で使われる箱を流用して利用されているのを見かけます。
私は、2回の「PBP(Paris Brest Paris)」の往路(いづれも復路は普通の輪行袋)、「RAAM(Race Across America)」の往復で BTB輪行箱 を利用しました
「エールフランス航空」では(日本の空港を除く)チェックインカウンターで自転車専用の箱を販売していると聞きます(「特別なお荷物-自転車およびタンデム式自転車」を参照)
メリット
比較的安価で、利用後も畳んで収納することができます。
デメリット
紙なので水濡れに弱く、強い衝撃で破損・変形することがあります。アクシデントが皆無というわけではありません。
再利用は可能ですが、持って数回です。

ソフトケース
1. 底面固定タイプ
「SCICON AEROCOMFORT」、「EVOC」に代表される底面固定タイプです。
私は使ったことはありませんが、先のジャバニーズオデッセイの写真でもこのタイプが一番多く、飛行機輪行=このタイプという印象があります。
メリット
輪行で問題が起きやすいエンドが保護されるため安心感が高く、基本キャスターが付いているので移動はしやすいはずです。
デメリット
非常に高く10〜15万円程度します。
安心感が高いとは言え上部はソフトケースなので、アクシデントが皆無というわけではありません。
2. ソフトケース
オーストリッチ(OSTRICH)の「OS-500」に代表されるウレタンパッドで保護されたソフトケースは、輪行時の移動のしやすさと軽量性のバランスが最大の強みです。
私は現在、国内・海外双方の飛行機輪行でなるしま限定の「OS-500+5cm」を常用しています。
メリット
担いで持ち歩けます(重量が軽くなるわけではありません)
折り畳みやすく移動時に背負ったり宅配便(120〜140サイズ)で郵送できます。とは言え、軽いと言ってもさすがに積載したまま長距離移動したくはありません。
デメリット
価格はプラダン輪行箱と同程度します(下図を参照)
ハードケースはもちろん、前項の底面固定タイプと比べても保護力は落ちます。
RD(リアディレイラー)は外す必要がありますし、エンドやディスクブレーキのローターが歪んだり、STIレバーがズレたりすることがあるので適宜外したり保護の追加が必要です。


なお「OS-500」には現在、以下のバリエーションがあります(価格は2025年12月現在)
| 製品名 | 主な特徴 | 価格(税込) | 備考 |
| OS-500 | ¥25,300 | ||
| OS-500+5cm | 標準高さ+5cm | ¥26,800 | なるしま限定 |
| OS-500W(ワイド) | マチ幅拡張 | ¥30,800 | |
| OS-500 ワイドタイプ +5cm | ワイド+5cm | ¥31,800 | なるしま限定 |
輪行袋
鉄道移動でも使っている普通の輪行袋です。
私も新型コロナ前までの国内輪行はこれでしたし、2回の「PBP(Paris Bres Paris)」の復路も輪行袋のみでした。
そして2回目の2019年 PBP復路での飛行機輪行でフレームを破損しました。この後からどうしても不安を払拭できず、国内外を問わず飛行機輪行では「OS-500」に移行しています。
メリット
既にみんな持ってますし、なにかあった時のために積載していることでしょう。行く先で荷物を預ける場所の心配をする必要がなくなります。
デメリット
相対的に破損リスクが高くなります。
リスクを軽減するためにRD(リアディレイラー)は外した方がよいですし、ラッピングや緩衝材を利用した保護もおすすめです。

🚚 飛行機輪行前後の荷物について
飛行機輪行では、いかに荷物となる輪行装備を現地で捨てる…もとい預けて身軽になるかが鍵になります。国内・海外で事情はことなりますが、これまで利用したことがある方法を紹介します。
1. ホテルで預かってもらう
ホテルで預かって貰いましょう。いちばん気が楽なパターンです。
イベントの前後で同じホテルを利用する場合は預かって貰える場合が多いですが、預かってくれないことも少なくないので事前に確認することをおすすめします。
2. 空港などにある荷物預かり所
空港、主要駅にある「荷物預かり所」を利用します。多くの国際空港にはだいたいある印象です(「ロサンゼルス国際空港」にはなかった)
ただ割高に感じることが多く、空港の預かり所はセキュリティが厳しいことがあります。
新千歳、ロンドン(主要駅にある「Left Luggage」というサービス)、台湾(空港、台中駅)、ロサンゼルス(車で回収、受け渡しするサービス)で利用したことがあります。
昨年の「1001 Miglia」でもミラノ(マルペンサ空港)で利用している方がいました。

国内限定でその日のうちの一時的な預かりですが「ecbo cloak(エクボクローク)」というサービスもあります。カフェやカラオケなどの隙間スペースを有効活用するシェアリングサービスで、自転車が入った輪行袋も預かって貰えます。
3. 空港宅配便の利用
日本国内の宅配便は万能です。
その宅配便を利用する空港へ直接送ることが出来るサービスです。行きと帰りの空港が違っている場合や、空港まで自走する場合に大変有用です。
朝イチや夜遅い便だと受け取れない可能性もあるので、受け取りカウンターの営業時間にご注意下さい。
ヤマトの「空港宅配便」を新千歳、長崎で利用したことがあります。
- 通常の送料に+660円
- 利用可能な空港: 新千歳、仙台、福島、新潟、成田、羽田、小松、中部国際、大阪(伊丹)、関西国際、岡山、広島、福岡、北九州、長崎、鹿児島
- 国際便利用時のみ
- 利用可能な空港: 成田、羽田、関西国際
- 利用可能な空港: 新千歳、成田、羽田、大阪(伊丹)、関西国際、中部国際
4. 近隣営業所へ送る
日本国内の宅配便は万能です。
空港宅配便が未対応空港でも空港は物流の拠点です。たいがいその近隣には宅配会社の営業所があります(ないことあります)1〜2km以内なら受け取って空港まで移動するのも非現実的ではありません。
朝イチや夜遅い便だと受け取れない可能性もあるので、受け取りカウンターの営業時間にご注意下さい。
徳島で利用したことがあります。
5. ホテルへ送る
日本国内の宅配便は万能です(大事なことなので3度)
帰りの空港まで電車で移動する時や、空港最寄りのホテルで宿泊する場合に有用です。民泊のような無人でもない限り、たいがい宅配便の受け取りをしてくれます(不安な場合はいちおう確認を取りましょう)
あと最近、荷物が多い旅行客が増えたからかイベント前後で同じ宿に泊まるときでも、その間の泊まらない期間で荷物を預かってくれないホテルが増えてきました。そういった時に前泊のチェックアウト前に後泊日時指定で送ることで「倉庫」代わりに利用することがあります。
あとがき
日本人の飛行機輪行事情は多くの先人と友人の知見で目にしていたものの、10月に完走した「THE JAPANESE ODYSSEY(日本のオデッセイ)」で目にした海外からの飛行機輪行で改めて備忘録として書きだしてみました。
国内でも飛行機輪行は未経験な人が多いと思いますが、そういった方々の今後の遠征の一助になれば幸いです。
