ひであ観察日誌

ひであの観察日誌です。自転車やペンギン、同人サークル「春うらら」の告知もこちらでおこないます。

ベルヴィル・ランデブー

http://www.klockworx.com/belleville/
フランス生まれでシルヴァン・ショメ監督がカナダで制作した,フランス語圏映画。
新宿のテアトルタイムズスクエアに観に行ってきました。
単館上映物だし,狭めのスクリーンなんだろうなと思って館に入るとびっくり,木場辺りより,いやへたすると妙典のマイカルよりもデカいスクリーン。*1


内気だけど自転車選手の大ファンだった孫のシャンピオンは,彼のおばあさんにプレゼントされた三輪車をキッカケに世界最大の自転車レース,ツール・ド・フランスに出場するまでに成長する。
そのレースの最中,シャンピオンは何者かに拉致されることに。
おばあさんと,ペットの犬ブルーノは,連れ去られたシャンピオンを追って足漕ぎボートで大西洋を渡り摩天楼そびえるベルヴィル(つーかニューヨーク)に辿り着く。
巨大都市ベルヴィルまで追ってきたもののシャンピオンの手がかりを無くし途方に暮れていたおばあさんとブルーノは,ふとしたことで三つ子の老婆達に出合う。
老婆たちに世話になる間に,シャンピオンの手がかりを発見。
老婆達の協力も得て,孫のシャンピオンを救いに向かう…


といった筋の映画です。
なんと言っても,美術が美しい。
3Dで生成されたイメージや実写の映像も多用されていますが,自然に融合していて浮いた感じはほとんどしません。
デフォルメ強調されたキャラクターのデザインは,ちょっとグロテスクに映るかもしれませんが動いているのを観るとむしろコミカル。
ストーリーはちょっと…というか,かなりシュール。
あと,台詞らしい台詞はほとんどありません。
歌声を除くと,両手で足りるくらいしか言葉が発せらません。
字幕もそのほとんどは,背景に書かれている文字に対してだったりします。
でも観念的というか概念的な小難しい映画じゃありません,ちゃんとエンターテイメントしています。


そして,おばあさんが凄い!
宣伝では,老婆達が凄い! といった説明も多かったですが,いっちゃん凄いのは間違いなくおばあさん。
確かに老婆達のキャラクターは強烈で,そう言う意味でのおばあさんは,孫想いの人のいいで老人です。
ただ,孫のシャンピオンの坂を昇るトレーニングに三輪車で付いていったり,トレーニング後のマッサージャー,体重管理までこなす。
連れ去られたシャンピオンを追って,足漕ぎボートで大西洋を渡り,シャンピオンを捕らえている機械を即興で改造する。
といった様は,見た目が地味なだけに際だっていました。


テアトルタイムズスクエアでは,2/10(木)までの公開ですが,公式サイトで興味を感じる様であればお薦めします。
むしろ,無理にでも誰かを誘って行けばよかったとちょっと後悔していたり。


ただ,ひとつだけ観ていて辛かったシーンが。
おばあさんと犬のブルーノが,三つ子の老婆達の世話になった時,その老婆のひとりが夕食を用意するのですよ。
老婆は,住んでいるおんぼろアパートの横の川辺に出ると手榴弾を投げ込んで大量の「×××」を食材として確保。
しばらくするとテーブルに「×××」を煮込んだスープ,「×××」の串焼き,「×××」の子の煮込みデザートが次々と出てくるんです。
もう…,皿が出てくるたびに顔を背けてしまっていました。


ちなみに,「×××」の中には「カエル」と入れてください。

*1:席数で比べると,妙典マイカルの一番デカイスクリーン(518席)よりは下の340席,他のスクリーン(106〜279席)よりは上。