ひであ観察日誌

ひであの観察日誌です。自転車やペンギン、同人サークル「春うらら」の告知もこちらでおこないます。

京極夏彦 「陰摩羅鬼の瑕」 <span class="bookoff">(ISBN:4061822934 43)</span>

素直におもしろかった。
読み始める前に,はからずもこれまでの作品と比較して低く評価したいくつかの評説を視てしまって,どうなんだろうと若干の不安を抱いてました。
しかし,それも杞憂でした。
京極夏彦の「京極堂シリーズ」の中では「魍魎の箱」「鉄鼠の檻」「絡新婦の理」が並べた順に好きで,「塗仏の宴」のみあまり好んでいません。
今回の「陰摩羅鬼の瑕」は,好みの三傑にこそ割り込むことは無いものの,京極堂の世界を…,いや,この作品では関口君の…でしょうか,を十二分に愉しみました。


ところで今作,3分の2辺りまで読んだところで止まらなくなりました。
京極堂作品は,だいたいいつも読み始めると止まらず,次の日のことも顧みずに夜を徹して読んでしまいます。1〜2時間で読み切れるジュブナイル系作品では一気に読んでしまうことはままありますが,止まらなくなることはあまりありあません。
この日誌で[読了]として記した作品では,柳瀬尚紀著「辞書を読む愉楽」くらいでしょうか。
特に,最近の読書の時間は主に通勤の地下鉄の中なので,ブツ切りの時間の中でページをめくるのに慣れているので,区切りをつけて栞を挟むことの抵抗感はかなり少なくなっています。
「陰摩羅鬼の瑕」を読んでいる時も,そういった理由で止めることができるようになったのか,そもそも自分にとって栞を挟みやすい出来だったのかと思っていたのですが,どうも後者に近く,そういう構成だったようです。