「id:hidea:20031121#p1」で話題にした松浦氏の書籍。
順番的には,先に発行されている「われらの有人宇宙船 (ISBN:4785387580)」から読むべきなのでしょうが,両方をAmazonに同時に注文して届いた荷物を開けた時に,ちらっと覗いたのがこちらだったと。
1ページくらいを軽く眺めるだけのつもりだったのですが,ふと気がつくと10ページ以上読み耽っていました。
さすがにその場では読むのを止めて,未読ストックの上位に積んでがまん。
結局,昨日の神戸からの帰り,「陰陽師」の後,東西線に乗ってから読み始めて一気に読んでしまいました。
以前,日経BPの記事を話題にした時にも感じましたが,この人が語る内容は肌に合います。
著者は,基本的に日本による宇宙開発を是とする立場なので,本当の意味での客観的な検証となっているかは怪しいかもしれません。僕も是と考えている人間なので,その辺はわかりません。
H-IIに代表される,日本の宇宙開発に対する失敗に対する各種マスコミや自称識者の煽りにはいい加減うんざりしていましたが,その裏で,様々な障害が降りかかっていたことはほとんど知りませんでした。
つまるところ,現在の日本の「宇宙ロケットを作る体制」,それも現場ではなく上〜の方に問題があり,しかし例えそれが改善されたとしても,初期における宇宙ロケットは「落ちる可能性があるモノ」であり,それを認識し,乗り越えて前にすすまなければいけない…と言った所でしょうか。
直接ロケットに関係のない箇所でちょっと気になった事がひとつ。
「日本の歴代総理大臣の最終学歴と歴代科学技術庁長官および文部科学大臣の最終学歴」としてリストアップされた表には,科学技術庁長官であっても理工系出身は数えるほどしかいません。*1
実際,国会議員の経歴を見て理工系出身を見ると,なんだか親近感を覚えてしまうのは,ほとんど見かけないからでしょうし,以前に田中真紀子が務めていたのを見て苦笑した覚えもあるので,いまさら驚くにあたりません。
気になったのは,その次のページにある「現在の中華人民共和国指導部」の最終学歴。
…なぜ,『全員』が理工系???
謎過ぎです。
*1:アトムが生まれる年でも,天馬博士やお茶の水博士が長官にはなれない(笑) まあ実際には,科学技術庁(もしくは省)自体がいまはないけど。