ひであ観察日誌

ひであの観察日誌です。自転車やペンギン、同人サークル「春うらら」の告知もこちらでおこないます。

小川一水 「導きの星 4」 <span class="bookoff">(ISBN:4758430799 8)</span>ISBN:4758430799:imagesmall

Kさんから借りてしばらく順番待ちをしていた4巻ですが,やっと読了しました。
読み終わって,正直な感想を言うと「いろいろと残念」という心持ちが妥当でしょうか。
始祖計算機はエニアックとは限らない*1,とかの細かい話はきりがないので,残念の要点を2点上げると以下の通り。


★ オセアノ人の宇宙への羽ばたき
積極的な介入がされていたとはいえ,初期の宇宙進出の技術的発展の側面がさくっと端折られていたのは残念。
電子計算機の発展はビジュアルには起こしにくいので仕方がないにしても,ロケット技術はもうちょっと書き込んで欲しかった。大陸間戦争が無いのと,そもそも司達の介入もあるから,今の筋のままだと面白く書くのは難しいだろうけど。


★ 星間戦争前,後
はっきり言うと,4巻は内容を詰め込み過ぎ。
もうちょっと緻密に2〜3巻に分けるか,オセアノの宇宙進出まで,とそれ以降を完全に別に分けて別のシリーズにした方が良かったんじゃないかと感じます。
オセアノ編 3巻と,導くもの編 3巻,とか。
ついでに感じた点としては,オセアノ人は最後の世代で引っ張りすぎの印象もありました。
いくら地球技術を接収したとしても,短期間で大艦隊を造りすぎ。


以上が,おおざっぱな不満ですが,読んでいて面白かったことには変わりありません。
もったいない…と感じたということは,僕にとってベストの展開では無かったわけだけど,この小説に出会えて十分に楽しかった感じてます。

*1:(電子?)計算機の定義まで持ち出すと定説があるのかどうかも怪しい。