昨年の夏に読み始めたこのシリーズも,やっとこ最終か〜ん!!
7巻を読み終わった時にはこれ,本当にあと一冊で終わるの?
と訝ったりしていましたが,さっくり終わりました。
ほとんど船島 *1 での佐々木小次郎との決戦とそれに向けた諸々の準備 *2
あと,これまでの登場人物諸々の収拾。
これまで難しかった人間関係が,これでもかって勢いで収拾します(笑)
最後まで読んで,特にこの最終巻。
個人的に面白かったのは,武蔵よりもむしろ佐々木小次郎の方でした。
物語に登場した当時,剣は強いけれど高慢,身勝手でどこまでも自分本位。
魅力的な主人公武蔵に相対する好敵手,というよりは,いけすかない嫌な悪役という役回りを京都から一乗寺下り松,果ては江戸までずっと維持していました。
ただ,細川家に召し抱えられてから特にこの決闘間近に迫る頃の彼は,良い具合に角が取れて大人に成長。
それでも武蔵の話題となるとムキになるきらいがあるのには,はじめの頃のようないけすかなさは感じず,彼に期待する周囲の有象無象を煩く感じながらも無碍にもできない様も合わさってより人間くささを感じさせるキャラクターになっていました。
ある意味相変わらずとも言え,ややもすれば人間離れした求道っぷりをする武蔵よりも気になる存在だったりしましたから。
なんにしても,いまに続く近代の宮本武蔵とそれにまつらう諸々のお約束を確定付けた本だということには納得。
全8巻総じて面白かったです。
ほんと,三国志も含め吉川英治の影響力は尋常じゃありませんね。
そうそう,×××ってもしかすると最強のツンデレ?
ツンの部分の意味あいが根本的に違ってるけど (^^;)
- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/12/26
- メディア: 文庫
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