先々週の通勤から読み始め、先週末の名古屋往復で読み切れるかと思っていたら50ペエジほど至らず、今日の帰りの車中にて読了しました。
各々の筋においては、それなりに気に入るシチュエイシヨンもあるのですが、どうにもすっきりとしない読後感はいったいなにに起因するものなのか。
やはり、京極堂の舞台表への登板の仕方がしっくりこないからかもしれません。あの人物の巡りで…、というのはいくら何でも唐突すぎるだろうと、そう感じざるを得ません。
同じく唐突にカメラの前へ出てくることになる榎さんは、まあ、いつものことですし…
なんだか、妙に格好よかったので赦せてしまうんですよね(笑)
あと、読み終わって、改めて序章を読み返すと、その語り部が吐露する信条に、いくらかの違和感を感じました。
意味としてとらえれば確かに、世界の認識を間違っていたのかもしれませんが、序章で語られているほどの、巨視的な思い込みはしていなかったような気がするのです。
有る程度の弁えはあったと。
文句ばかり書き立ててしまいましたが、逆に、それ以外では悪くない。
京極夏彦らしい書きっぷりです。
僕の好みから言えば、京極堂シリーズの中で一番下かもしれませんが、京極堂シリーズ自体が大好きですからね。
佳作といったところです。
ああそういえば、これはばらしても良いでしょうか。
邪魅に関する蘊蓄はありませんでした。
…もしかして、僕が忘れているだけで、既に陰摩羅鬼までにあった?
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/27
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 50回
- この商品を含むブログ (631件) を見る